メスフラスコの使い方

メスフラスコの規格

 

全量フラスコには、大別して2つの異なる等級が存在し、許容誤差が異なります。高位規格(Class A、アメリカ薬局方ないしは他国の薬局方相当公定書の基準に相当)は標線が正確で許容誤差が狭く、トレーサビリティーの為にシリアル番号が打たれています。誤差がある程度あっても構わない場合は、低位規格(Class Bないしは相当品)が使われ、定性分析や教育現場などで使用されます。

 

標示された容量は20℃で検定された結果であるが、容器の体積膨張率は室温付近では10-5/K程度ですから室温付近での計量では無視して構いません。厳密な公定分析などにおいては、検定票を参照してその容量を補正します。この際は使用する溶媒の膨張率等も考慮しなければなりません。

 

ホールピペットの標示量がガラス表面に付着した濡れを含まない自然流下した液体の体積を表す出用なのに対し、メスフラスコの体積の標示量はガラス表面に付着した濡れを含む受用です。そのため一定量の体積の液体を計量するためのものではなく、定容に用いられます。出用のメスフラスコも特注品などであるにはありますが、その精度は受用に比べて半分程度劣るため、あまり使用されません。